給食を獨り占めしたかった

子どもの頃、意地汚かった僕は「いつか給食を獨り占めしたい」と考えてました。

 

揚げパン! バンサンスー! わかめご飯! 七夕ゼリー!

 

給食バットに敷き詰められた寶石たちを、全て自分の胃袋に収めたかったのです。

 

こんにちは、筆者です

小學校卒業から約15年経ちましたが、子ども時代の夢はいまだ潰えておりません。

 

いま 富とか名譽ならばいらないけど

翼がほしい

 

子供のとき夢見たこと

今も同じ夢に見ている

「翼をください」/村井邦彥 歌詞一部引用

いま、富や名譽はいらないから、僕は給食がほしい。全部ほしい。
子どものころ葉えられなかった夢、大人になったいまこそ、実現させよう。

 

 

給食バットを買おう

當然、どこぞの小學校の給食の時間に侵入するのはNGです。

 

見知らぬ男がいきなり現れ、給食をかっ食らい、去っていく。

 

通報待ったなしです。そして、子どもたちの記憶にトラウマを刻み込んでしまいます(本當によくない)。

 

求められるのは平和的で紳士的な解決策

通販で給食バットを買うことにします。自宅で給食バットを食器代わりに使う=獨り占めになる…ことに気づいたからです。

 

ていうか普通に給食バットが欲しい

人はノスタルジックを感じるものに心惹かれます。

僕はいまだに『笑う犬シリーズ』のWikipediaを閲覧しながらウィスキーを煽っています。死ぬまでに手に入れたいグッズは「小僧壽しチェーンのドラえもんの容器」。そして、これはお守りとして鞄に忍ばせている「ゲームボーイアドバンスのケーブル」です。
ご多分に漏れず、僕も懐かしいものが大好き。だから…給食バットなんて…そりゃアンタ…ねぇ!

 

數日後…

 

自宅に何か屆きました。はてはて? 一足早い春の便りですかな?

 

いや、給食バットでした!!!!

 

給食の!!!バット!!! です!!!

 

給食のバットだ~~~~~!

 

見よ! 銀灰色に光り輝くアルミのボディ!

 

見よ! 「キシキシ」してる取っ手部分! 懐(なつ)い!

 

素晴らしい………。

 

抱きしめて、頬擦りしたいぐらいに

僕たちは義務教育の期間中、この給食バットのお世話になりました。

そして今なお全國の未來溢れる子どもたちの心身の成長を、食育によって給食バットが支えている事実。

給食バットさん、あらためて、ありがとう……。

 

愛!

 

クンクン

給食バットの匂いがするねぇ……。

 

カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン

僕のクラスの男子は打楽器さながら給食バットを叩いていました(皆さんの學校はどうでしたか?)。

 

お値段、約7000円(蓋無しでこの値段)。

學校に纏わる用具はとかく値段が張ります。しかし、裏を返せば価格の高さは“本物”の証明でもあるのです。

 

ただ、一つ殘念な點が…

 

このバット、綺麗すぎる

腕力が未成熟な小學生児童は、給食室から教室までの運搬に、給食バットをそこかしこにぶつけたことでしょう。それが給食バットの宿命。

 

しかし、この給食バットにはまだそれがありません。

 

まるで、悠久の雨風に曬された巖や巨木のような「歴史」の積み重ねが足りない!(參考寫真:屋久島)

 

ならば歴史を作ろう

僕はもう大人。鼻タレだったあの頃とは違う。歴史は、己の手で生み出そう。

 

ガンガンガン!

ハンマーで給食バットを毆打していきます。

 

ほら! 側面に“味”が出てきたと思いません?

 

ガン! ガン! ガン!

この調子で更に毆打します。

 

ガン! ガン! ガン! ガン! ガン!

「懐かしグッズをこの手で作りだしている」と考え出したら、思わず笑みも零れます。

 

キュ、キュキュ~

年組も忘れず書きます。大切なのは太字で書くこと。細字で書かれた給食バットはパチモンですよ。

 

ザリザリザリ

最後に、金屬用のやすりで表面を愛撫します。

 

ザリザリザリザリザリ…

 

ふぅ…

作業中、僕の脳內では小學校合唱曲の定番「怪獣のバラード」が流れておりました。そう、僕は妥協を許さぬ怪獣なのです。

 

“成”った!

この使い古された感。正しく、あの頃お世話になった給食バットです。本當に…良い……。

 

ただいま!

 

ちなみに僕の小學校では、児童にも判別しやすいように、惣菜系の給食は「赤バット」と呼ばれ、赤色のシールが貼られていました(野菜系は「青バット」で青のシール)。

皆さんの學校はどうでしたか?

 

給食を思い出そう

決めらんね~(嬉)

今回、バットに詰める給食メニューは1~3品(バットの7000円で一気に予算が吹き飛びました)。しかし給食のメニューは膨大。厳選するのがめちゃくちゃ難しい!(でもこういうこと考えてる時が一番楽しい)。

 

ここは王道の「ソフト麺」「肉じゃが」をいくべきか…。
あるいは裏をかいて「スラッピー?ジョー」「かみかみサラダ」も捨てがたい!(楽しいぜ)

 

いつもは全く盛り上がらない僕+編集部のチャット部屋でも「懐かしの給食」の話題になった途端、普段の5倍速でコメントが流れました。いつもこれぐらい話そうよ。

 

上図は、「アルミ卵」の寫真が貼られたかと思いきや「びっくり目玉焼き」なる全然知らん給食を出されて困惑する一同。こういう會話だけしてたいな。

 

給食バットに敷き詰めよう

●一品目●

「ピカタ」に決めました!

ピカタ

イタリア発祥の肉料理。學校給食では、高栄養?低カロリーの鶏ささみ肉を使ったピカタが出されることが多い。

「ピカタ」懐かしくないですか? たぶんどの小學校でも出てましたよね? 「給食のピカタ」って単語がもう…。響きがもう…。ハァ…ハァ……。

 

業務スーパーで「鶏ささみ」を買ってきました

この量で約1000円。助かる…。

 

料理は苦手ですが、給食を作ると考えたら苦ではありません。こういうことだけやっていたいね(じゃあ給食センターで働けば?)

 

そして…

?

?

?

?

 

完成!

 

やべ~~~!

どこからどうみても給食。「ピカタ」というパッとしないビジュアルが、給食らしさを一層引き立てています。華やかなだけが給食じゃない。

 

えっ、今日は全員分の給食食っていいのか?!?

いいよ! おかわりもあるよ!

 

そう、コレ、ずぇ~~~んぶ僕が食べていいのです。おいおいおいおいおい。

 

持ってみました

給食當番の重み…ッ!

手に伝わるバットの感觸、敷き詰められた料理の重量。

あぁ、當時の記憶が蘇ります。

汁缶は運ぶの嫌だったな…。
パンケースは軽くてよかったな…。
牛乳瓶ケースは指が引きちぎれそうでキツかったな…。

 

急に小學生のコスプレを披露してすみません

ですが、一流レストランではドレスコードが存在しますよね?? そういうことです。

 

決して安いコスプレは致しません

小學生児童の発汗量は大人の約半分ほどといったデータがあります。その為、僕も前日までにこの體操著を著用した狀態で軽いストレッチをしました。

そう、私は妥協を許さぬ怪獣なのだ……。

 

今日の體育は「マット運動」だったんだね…。

 

給食バットだけでは寂しいので、他の給食メニューも再現しました。

 

主食はわかめご飯

ご飯系のメニューで一番好きでした。當時から何杯でもいけたわかめごはん。初めて自作しましたが、米を炊く際にみりんを投入するんですね。どうりで美味いわけだ。

 

汁物は「ABCスープ」

やっぱね! 自分の中で給食のスープと言ったらこれですよ。「ワンタンスープ」とも迷ったんですけどね(自分の実力で「給食のワンタンスープの味」を再現できるか不安で…)

アルファベットマカロニは通常の5倍くらい入れたんですが(これも夢なので)、ほぼ汁の底に沈んでしまいました。

 

野菜は「春雨サラダ」

ありふれた春雨サラダも、アルミ食器に乗せると懐かしさがこみ上げます。

まぁ僕の學校では食器はプラ容器でしたけど。でも、アルミの方が格段に良い。ノスタルジー=アルミということでしょうか。ちなみにこのアルミ容器はセリアで買えます。

 

そして牛乳瓶

近所のスーパーに給食用の牛乳が売っていなかったため、蓋部分はカラーセロハンで自作しました。でも開けるのが勿體ないので、牛乳は普通に別ので飲んできます。

 

この赤いヒモ、捨てるとき手にまとわりついて嫌だったな。

 

目の前に広がる「給食風景」に卒倒しそうです

テーブルの上だけタイムスリップしてます。本當に、最高だ…。

 

いただきます!
もうトングで、直にいっちゃおう! だってこれ、全部獨り占めだから!?

 

小學時代の僕、見てるか? 諦めなければいつか夢は葉うんだぜ??

 

わかめご飯もいいねぇ~! わかめご飯を牛乳で流し込むの、久々すぎて泣けてくる…。

 

●二品目●

「ピカタ」は完全な正解だったので、続いて「磯部揚げ」を作りました

業務スーパーで1袋50円の竹輪を買ったので、この量でも約500円です。今回の企畫、業務スーパーに助けられてます。

 

ちくわしか入ってねぇ(幸)

個人的に子どものころは「はずれ」と思っていた磯部揚げも、大人になったら「大當たり」。まさか磯部揚げ食べ放題を出來る日が來るなんてね…。めちゃくちゃビール飲みたい(飲みました)。

 

●三品目●

最後は大正義「フルーツポンチ」です!

 

夢でも見てるのか?!

僕の目の前に「フルーツポンチのプール」があります。何度も繰り返しますが、これ全部獨り占めです。プールの貸し切り狀態です。昔の自分に教えたらマジで涙を流すんじゃないのか?

 

こんなん、もうさぁ……。いちいち容器に移してらんないよなぁ?!

 

いったれ~~~~~~~~~~~!!!

 

ズズーーーーーッ

これ一度やってみたかった…! 本當にやってみたかったんだ…!

 

おじさんの夢はねぇ、小學生に戻って、フルーツポンチを一気飲みすることだったんだよ~~~(泣)

 

 

おわり

まぁ……それでも……

 

キツイよね

いくら大人の胃袋でも、さすがにあの量を食べるのは無理です。磯部揚げ、一度に5本食べたら吐くかと思ったし(冷蔵庫に保管してちょくちょく食べていきます)。

 

食べても食べても終わらない。まさか大人になって「晝休みにも給食食べてる子」の気分を味わえるとは…。最高です。

 

余談ですが、給食バットにカップ麺を入れると完全に「給食後」になります。

(おわり)